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Amazonプライムにて、やたらツイッターで評判良かった「ゲット・アウト」が配信されていたので観ました。
ホラー映画で評判が良い、っていうのは中々レアなような気がしていたので、ドキドキしながら観ましたよ✌('ω'✌ )三✌('ω')✌三( ✌'ω')✌
率直な感想としては、「ホラー……サスペンス?」です!
人の欲望、傲慢がよく表現できていた映画で面白かったですよ。
そんなゲット・アウトのネタバレ感想を思うがまま書きます。
今までAmazonプライムで観たもの感想
Contents
ゲット・アウトのあらすじ
『ゲット・アウト』(原題: Get Out)は、2017年にアメリカ合衆国で公開されたホラー映画である。白人のガールフレンドの実家を訪れたアフリカ系アメリカ人の青年が体験する恐怖を描く。監督・脚本はジョーダン・ピール、主演はダニエル・カルーヤが務めた。
日本では2017年9月17日に「第10回したまちコメディ映画祭in台東」で初上映されたのち[4]、同年10月27日に全国公開された[5]。
引用:Wikipedia
ニューヨークに暮らすアフリカ系アメリカ人の写真家クリスは、ある週末に白人の彼女ローズの実家に招待される。若干の不安とは裏腹に、過剰なまでの歓迎を受けるものの、黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚える。その夜、庭を猛スピードで走り去る管理人と窓ガラスに映る自分の姿をじっと見つめる家政婦を目撃し、動揺するクリス。翌日、亡くなったローズの祖父を讃えるパーティに多くの友人が集まるが、何故か白人ばかりで気が滅入ってしまう。そんななか、どこか古風な黒人の若者を発見し、思わず携帯で撮影すると、フラッシュが焚かれた瞬間、彼は鼻から血を流しながら急に豹変し、「出ていけ!」と襲い掛かってくる。“何かがおかしい”と感じたクリスは、ローズと一緒に実家から出ようするが・・・。
ホラー映画ですが、幽霊などは出ません。
なんでか幽霊をワクワクして待っていた立束。幽霊は出ません!
驚く、というよりは「ひええ!」という感覚のホラー映画なので、心臓が飛び跳ねるようなびっくり度は低いですね~。
ただ、冷えていくような驚きはあります。なんていうか、恐ろしい驚き?です。
ぞわぞわ、静かに冷えて、凍るような恐ろしさがありました。
ゲット・アウト ネタバレ感想
ゲット・アウト
直訳すると「出ていけ!」
タイトルを読んだだけだと、幽霊とかが出てきて、幽霊もしくは家主が「出ていけ!」と奮闘するハートフルホラーなのかなーとか考えちゃうんですけど、ゲット・アウトは全く違って、自分の中から出ていけ!でした。
自分の中から出ていけ!だと、二重人格の主人公が…とか、乗り移られて…なんて思うんですけど、確かに乗り移られて、ってところはあっていますが、乗り移られる過程、理由が丁寧に描かれている作品は中々レアなのではないですかね。
微々たる違和感を探り探り、確信へと変えていくクリスを待ち受けていたのは、最愛の人からの裏切りなわけですが、彼女のローズは演技派すぎる!女優のようでした!(女優ですが)
私も、ローズの家族はとても怪しい、と思いながら見ていましたが、まさかローズまでも仕掛け人だとはネタバレがあるまで思っていなかったわけです。
なのに、あの変わりよう。すべてが演技だったなんて、こわすぎる。目的のためにストイックな人は素敵ですが、ここまでの集中力を発揮されると怖いですね。
ローズはクリスを愛しているんだと思っていました。おそらく、愛していたんでしょう。愛していたけれど、愛したのは家族になる人だから、という意味で。家族になるのはクリスだけど、中身はクリスじゃない。家族になるクリスの器を愛していたのでしょうね。
さて、クリス。
ローズ母の催眠術にスルスル入ります。
めちゃくちゃ素直です。
催眠術というのは、素直な人・信じている人ほどかかりやすく、逆に疑り深く、催眠術をバカにしている人ほどかかりづらいという特徴があります。
要は、催眠術というのは誰でもかかることができるものでありながら、かかることができるかどうかは、その人の性格や状況にかかるわけです。
ローズ父がクリスに対して「禁煙しなさい。なんならローズ母に直してもらえ。自分は催眠術で禁煙を成功させた」と言ったあたりで、クリスはもう催眠術を信じていたのでしょうね。
だから、あんなにすんなり催眠術にかかってしまった。
いやあ、この素直さは……羨ましい!
写真家として、芸術家としてのクリスだからこその感性で、催眠術にもかかりやすかったのかもしれませんね。
その素直さが仇になったわけですが、クリスにはこれからも素直な目で世界を映してほしい、なんて思ったり。でも無理かなあ。トラウマもんですよこれ。
催眠術に入った時、深い所に落ちていく感覚を、よく表しているシーンもありましたね。
ローズ母が紅茶のカップをスプーンでかき回しながら暗示をかけると、クリスはベッドに沈んで、そのまま暗い場所へと落ちていきます。
確かに催眠術はあの感覚に似ていて、体がベッドにずっとずっと沈むような錯覚に陥るんですよね。
突然、ガクンと落ちる描写、すごかった……!
クリスの親友、ロッドが良い味出し過ぎ
アントマンでも思ったんですけど、ラップを唄いだしそうな、ふくよかな男性、大体面白すぎません?
ゲット・アウトはホラー映画のはずなんですけど、しかしロッドが出ると和みましたし、よくわからない安定感がありました。
ロッドやばい、ムードメーカー過ぎる。
ロッドは冒頭で、クリスに対し「白人女の家族に会いに行くな」的なことを言うのですが、第六感が働いたのかな。
しかしロッド、うまくクリスを説得できないシーンが何度かあります。
おそらく、というか確実に……「性の奴隷!性の奴隷にされるんだ!!!洗脳されて性の奴隷だ!!!!」とか言っちゃうから、説得できなかったんだと思うんですよね。笑
性の奴隷ってなんだし
無邪気と言うかなんというか。
しかし結局、クリスを助けたのはロッドでした。
冒頭で、ローズ父がローズとクリスに「車の運転、疲れなかったか?」というくらいの距離にある、ローズの実家。
そんなところまで迎えに来てくれる友達って、中々いなくないですか?
こんな経験、したくないけど……クリスがちょっと羨ましかったです><
ローズ親族の乗り移りの儀式に、そこまで長い歴史はない
ローズの祖父・祖母は管理人とメイドとして、家に居るんですけど、おそらく父と母は乗り移りの儀式はまだしていないです。
そこまで長い歴史はないですね。
乗り移りは、頭蓋骨を開いて脳の移植的な……神経の移植をするんですけど、よくこの手術方法を知って「私も乗り移りしたいっす~!!」って言いだせるものだなあ、と思いました。
だって怖くないですか?
確かに、目が見えなかったり、体に障害があると……優れた体に入りたいと思うかもしれませんが、それでも脳を開いて、絶対にできるという確証が少ないのに、乗り移りたいと思うものでしょうか。
けど、死の間際……もうすぐで死ぬかもしれない時なら、失敗するかもしれない可能性があったとしても、乗り移りたいと考えることもあるかもしれませんね。
ここらへん、人間の貪欲さを表しているなとおもった次第です。
「200年は白人主義だったが、これからは黒だよ!」
このセリフがあったので、もしかしたら乗り移った後の白人だらけだった可能性もあるんですけど、理想の殻を選別しているところを見ると、あんなにふとっちょのおじさんが、乗り移り後だとは思えないですね。(乗り移った直後はスマートだったけど、不摂生で太ったならわかる)
乗り移りの手術、カメラのフラッシュで元の持ち主が表に出てきてしまうなど、割と欠陥だらけですし、それを考えてもまだまだ歴史の浅い手術なのかなあ、って思いました。
というか、2度目見ながらこの記事書いているんですけど、明らかにローズのじいちゃんの代で完成したこの手術だったんで、歴史、浅いの確定しました!
それなのにローズ、あの量の黒人さらってきたのか…やばくない?ローズ、怖い…
この作品で一番怖いキャラ選手権したら、ローズがぶっちぎりで一位
ローズは映画が1時間経過するまで、クリスの彼女を演じ切ります。
彼のことを想い、一途に愛する彼女。彼の理解者、そんなロマンチックな彼女を演じ切るのです。
まるで青年漫画に出てくる理想のヒロインのように、彼に寄り添います。
彼が傷つけられそうになれば怒り、たばこを吸う彼に対しても「体に悪いわ」と叱ります。
本当に彼を愛しているかのようなローズに騙された人ばかりなのでは?
最後まで見て、2度目見たってローズに騙されそうになります(笑)
ローズは今まで、黒人を何度も実家に誘っては連れてきて、乗り移りの儀式に加担しているのですが、それが露見したのはクリスとローズが実家を出て家に帰ると準備をしている最中です。
クローゼット?に置かれた不自然な箱を開けると、ローズと黒人の2ショット写真がいくつも出てきます。
あのローズがこんなことをするわけがないので、不自然に箱を置いたのはメイドなんじゃないか?と私は思っていますw
フラッシュで元の人格が出てきちゃう、甘い乗り移りなので、一度クリスにちゃんと真実を伝えようとしたメイドの元持ち主が置いたんじゃないかな~って。
乗り移られた黒人がクリスを守ろうとするシーンがいくつもありました。
ローズを撃退したのも黒人だったし、黒人同士の絆の強さを思い知りましたね。
脱線しましたが、この映画の怖キャラはぶっちぎりでローズです。
ローズはこの映画、1時間過ぎるまでクリスの彼女を演じ切りますが、その後は素の彼女に戻ります。
清潔で中性的なデザインの白いセーター、綺麗にまとめられたポニーテール。
クリスの横にいた彼女の影はどこにもありませんでした。
ロッドからの電話にも、無表情でただ口を動かし、激しい口調で会話するローズ。
どんな表情筋してんだと思いましたね。
クリスが脱走した後、ライフル片手に追いかけてくるローズ。
相変わらず無表情。
クリスがめちゃくちゃ不憫です。
あんなに愛していた彼女が、自分を殺すためにライフル片手に追いかけてくるんですよ。
ローズは管理人さん(中身はじいちゃん)の元人格が表に出てきた時に、ライフルで撃たれて瀕死になるんですけど、そんなローズの首に手をかけながら、結局殺すことはできないクリスですよ。
しかしローズは、生きるために遠くからパトカーがやってきたときに、瀕死でありながら演技をして、「助けて」と乞います。
もう、これも怖い。
瀕死なのにクリスを悪者にして生き延びるつもりでいるローズ怖い。
豹変っぷりもそうですが、ローズの恐ろしさは映画の1時間、クリスを愛した姿があったからこそいきますね。
超怖い。
棒を振り回しちゃうローズ弟とか、真夜中に全速力でランニングする管理人さんとか、泣きながら笑う奇妙なメイドとか色々ありましたが、それでも一番怖いのはローズでした。静かな恐ろしさはローズあってこそです。
少しの閃きが命を救う
脱出ゲームでもホラー映画でもそうなんですけど、パニック映画でもそうか。
少しの閃きが、主人公を救いますよね。
クリスは催眠時、ソファの肘置きをひっかく癖がありました。
催眠をかけるためには、紅茶をスプーンでかき回す音が必要なので、催眠にかからないようにするには、音を遮断する必要があるわけです。
音を遮断するためには、耳に何かをつめなくちゃいけない。
というわけで、クリスはソファの肘置きをひっかいて出てきた綿を、耳に詰めました。
賢いし、閃きが柔軟!
これがなければ、クリスもやられていたに違いありません。
クリスは大きく、しなやかな肉体の持ち主なので、自由になれれば誰にも負けません。
負けないので、壁にかけてあった鹿のはく製でローズ父をぶっ刺したりしますw
嘘でしょ/(^o^)\そんなものを武器にするなんて/(^o^)\
もし自分が脱出ゲームの世界に行ったなら……ホラー映画の世界に入ってしまったなら……。
クリスのような柔軟な閃きを持たなければ死ぬなあ、と。改めて確信しました。
ロッドが標的にされていたなら、コメディになったに違いないのに
クリスの親友ロッドが標的にされていたら、たぶんこれコメディになってました。
いうなればホームアローンのようなダークコメディになっていました。
それに、ロッドは素直だけど、催眠術にかかりそうにないですよね。
催眠術の最中も、答えるけど段々脱線していって、「何の質問でしたっけ?」とか大真面目で言いそう。何も催眠が進みそうにない。
親族集まるパーティー(という名のお披露目会)に出ても、めちゃくちゃご飯食べて、失礼なこと言われたら最初は流すけど段々、おこおこしそう。
催眠が通じないので、話が進まないし、結局パーティーやらをめちゃくちゃにして、コメディで終わる……素晴らしい映画だ!ヒットしそうにないけど、そんなロッドが好きですw
オシャレな映画だったな!(まとめ)
オシャレな映画でした!
面白いと騒がれただけあったし、ホラー映画みたいけど最近いいのない~><って悩んでいる人は是非見てほしい映画ですよ。
ガシャーン!ドーン!バーン!
みたいな衝撃が好きな人には物足りないかもしれんけど、セブンとかドッグヴィルとかエス好きな人なら好きだと思います。
何より1時間44分だからめっちゃ見やすい。長すぎない!
人に勧めやすい、丁度いい映画です。
ほの暗いアメリカ映画ホラー、是非ご賞味ください。ごちそうさまでした!ではまたヾ(゚ω゚)ノ゛